U2 - Joshua Tree | NOTRE MUSIQUE

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Elle est retrouvee.
Quoi? - L'Eternitee.
C'est la mer alleee
Avec le soleil.

U2U2の1987年の名盤。
大御所バンドとなった今でも変わらずに精力的かつパワフルに活動を続けるU2の代表作のひとつで、80年代のロックとそれ以降のアルタナティブロックに大きな影響を与えた一枚である。
U2はアイルランド出身のバンドで、1978年にボーカルのボーノを中心に、ジ・エッジ(G)、アダム・クレイトン(B)、ラリー・ミューレンJr.(Ds)の4人で結成され、現在までこの不動の4人の結束は変わっていない。デビュー当時は、パンクムーブメント全盛期であり、このU2もその他多くのバンドと同じようにパンクバンドとしてプロとしてのバンド活動をスタートさせている。若者の社会への不満や憤りをその熱い歌唱力で歌いきるボーノのボーカルスタイルと、独特なフィードバックエフェクトを駆使するソリッドなエッジのギターを中心としたストレートなロックサウンドはたちまち人気を集める。その後、出身のアイルランドの紛争をテーマにした"War"などでトップグループとしての安定した人気を築き上げている。
U2がただのパンクバンドとして終わらない強大なロックバンドに成長したのはその後の、ブライアン・イーノと音の魔術師ダニエル・ラノワとの出会いがあってこそである。彼らをプロデューサに迎えた第1弾アルバムの"The Unforgettable Fire" で、これまでのストレートなロックにラノワによるサウンド的な奥行きが持たされ、曲の題材も彼らの信奉するロックを生んだアメリカをテーマにし、ダイナミックでスケールの大きい音世界を見事に作り出した。
このアルバムはイーノとラノワとの共同作業の第2弾アルバムで、その音楽観、サウンドともに前作から大幅にスケールアップし、"Where The Streets Have No Name"や"With Or Without You"といったシングルヒットも生まれ、瞬く間に世界的な大ヒットを記録、9週連続全米No.1アルバムという驚異的な記録を生んだ。前作でロックのルーツであるブルースやカントリーなどへの情景を抱き始めた彼らのサウンドはその影響を吸収し、サウンドの幅はさらに広がっている。またそうしたルーツ音楽への回帰と同時に、未だに故郷アイルランドのキリスト教的な観念と神秘性をも含まれており、それをイーノとラノワによるアンビヴァレントなサウンドで統一することにより、何ものも受け付けない叙情的かつ強靭で崇高なロックを完成させた。アイルランド人としてのブルースやカントリーへの傾斜という点ではカナダ人でありながらアメリカルーツに急接近したThe Bandの方向性とも重なり、両者のサウンドの差異をいうのも比べて聴くと非常に興味深い。
本作で名実ともに世界的なロックバンドとなったU2は、この後ファンク、エレクトロニック、アンビエント、テクノといったコンテンポラリーな音楽を大胆に吸収し試行錯誤を繰り返しながら、着実にあくまでU2らしさを失わないサウンドでパワーアップし続けている。新世紀を記念するアルバム"All That You Cant Leave Behind"では原点のストレートなロックに帰還し、そのタフなサウンドと圧倒的肯定性のあるロックをシーンに叩きつけた。